アメリカぐるっと一周:2000年春

2000年5月1日 DAY 21

満を持して天気の回復を待った甲斐があり、これから向かう北西部はしばらく好天のようである。 朝6時と早めの出発でグランドテートン国立公園にできるだけ近づくことにする。


I-80を西に向かうが、風がけっこうある。 10-15マイル程度であろうが、単独で走っている分には問題ないが、トラックを追い越したり追い越されたりすると吹き飛ばされそうになる。

工事中で対面通行になっていると恐怖である。トラックとすれ違う度にビリビリと衝撃波を感じカウリングが割れないかと心配するほどである。


ネブラスカでは速度制限が75マイルと高い為か車の流れが85マイルから90マイルと速い。 今日は距離を稼ぎたいので、風の強さを無視してクルーズコントロールを90マイル(145キロ)にセットしてひたすら西に向かう。

ネブラスカを400マイルほど走りワイオミングに入ると交通量が減り走りやすくなる。 トラックも少なくなる。ポリスが居る気配は全くないので、もう少しスピードを上げ95マイル(152キロ)でグランドテートンの分岐となるUS-287とぶつかるRawlinsを目指す。

この途中で並んで走ったハーレーのお兄ちゃんが、横に並んで何か大声で叫んでいる。良く聞こえないが、何やら「お前のバイクに問題があるぞ」と言っているようである。 レストエリアで調べてみると、ヘッドライトのロービームが切れており、ポジションランプが点いている。

厳密には違法になるが、取り敢えずポジションランプは点いている、昼間の走行しかしない、万一夜間走行になった場合でもハイビームは使える等を考慮し、修理はしないことにする。 いずれにせよ、しばらくはBMWのデーラーがあるような街には立寄らない(この問題は、翌朝にバイクを始動すると、なぜかロービームが点灯し解決)。

ラジエターの冷却水がローレベルを下回っているが、寒い所を走っていることだし、今までも問題はなかったので、これもそのままにする事にする。 オイルは全く減っていない。 6600マイルほど走ったので交換時期だが、もう少し我慢してもらうことにする。


US-287は、最初の20マイルは工事中だったが、後の100マイルは快適。交通量が極めて少なく、道路を1人占めしながら走る。

目的地にしたLanderが近づくにつれ、グランドテートンの山並みが迫ってくる。 じわじわと近づいていく感じはぞくぞくする。


7時にLanderに到着。 なじみのチェーンモーテルが見当たらないので、BestWestern系の山小屋風のモーテルにチェックイン。 洒落た作りなので高いかなと思ったら、案の定69ドルプラスタックスと割高。

しかし、値段だけのことはあり、部屋はやたらに広いし、有り難かったのは、HotSpa(露天風呂みたいな物)があったことである。 日暮れの空を見ながら温泉気分が味わえたのは大正解であった。

宿の案内に、タイレストランのメニューがあったが、すでに9時近いので例のごとく、ガススタンドでサンドイッチを買って来て夕飯にする。 もう少し早く着いていたらタイ飯だったのだが、、、


今日は頑張った甲斐があって、走行は749マイル(1200キロ)とかなり伸びた。 しかし、これだけ一気に走っても身体が何ともないとは、K1200LTとは恐ろしいバイクである。 勿論、バイクは全く大丈夫。 エンジンはほとんど熱くならない。 エンジンを止めてすぐにエンジンに触れるバイクを私は知らない。 ゴールドウイングでも、エンジンはかなり熱くなった。

さあ、明日はグランドテートンだ。